「轟轟戦隊ボウケンジャー」#18 生きていた男


 ボウケンジャー適合者の隠れ法則は苗字が実際の冒険者、名前が担当のカラー。高丘映士じゃ苗字はともかく(高丘は中国に冒険した皇族・高丘親王が元ネタ)、名前が当てはまらないんじゃないの?と思ったら、映士 → エイジ → AG(銀の元素記号)という事らしいです。ひねりすぎ! 指摘されるまで全く気がつきませんでした。


【不滅の牙伝説】



「お前らがやってる宝探しなんて遊びだよ。俺様みたいな逃れられない宿命でもなんでもない。どうせ好きでやってるだけだろ。厭ならとっととやめちまったらどうだ」(高丘映士)

「なぁ征木。俺は冒険が好きだ。やっと気づいたよ。お前達の為だとか、世界の平和や安全だとか、そんなのは理屈だ。俺は冒険が好きなんだ。
(中略) 
誰に与えられた使命でもない。だから、だからこそ、絶対に逃げるわけに行かない! これは俺の冒険なんだ。俺は冒険をやめない!」(不滅の牙)

「使命ではないからこそ、好きだから、逃れられない……」(高丘)


 自分が結果的に死に追いやった昔の仲間を前にしたチーフの口上。平和と安全を理屈と言い切った戦隊主人公として、またひとつ伝説を打ち立てました。酷ェなオイ!(爆笑) 

 でも別にチーフのトラウマ克服宣言というわけでもなくて、生きている限りその業と責め苦を負うよ、っていう風にも聞こえました。耳が程よく腐ってるだけかもしれませんが。
 もうちょっと真面目に考えると、本作品における「過去」とは、戦隊モノ30周年の暗喩でもあるので、チーフの口上は、過去30作品への愛情と敬意を示しつつ、次のフィールドへ行く道を探すんだ、という會川(脚本)含めたスタッフの言葉だと思いました。それがボウケン。




【征木紫郎】

 チーフの昔の男、すいません調子に乗りました、昔の仲間。ボウケンジャー候補生でもあったという過去に則って、ちゃんと名前にカラー(紫)が入ってるところが設定細かい。

 征木の正体はアシュが見せた幻、チーフの心の迷い、彼がチーフを責めた言葉は、全てチーフが己を責め続けたり、もし責められたらどうしようと思ってる事だったわけですが、チーフが俺様として覚醒したのを受けて、「それでいい、不滅の牙」と笑って消えていったのは、果たしてチーフの心だったのか、それとも……? 
 チーフが(映士が「それはお前の心の迷いが見せた幻覚だ」って解説してるにも関わらず)「俺は征木に会えたんだ!」って喜んでいる所はちょっとホロリときました。チーフの言い草からすると、死体見つかってないんだろうし……。
 しかし、チーフ。征木の事ばっかり思い出して、もう1人の仲間であるキョウコのことはとてもテキトーな扱いじゃなかったですか? だから昔の男疑惑が生まれるんだよ!


【姉さんラブ】

 冒頭のボウケンレッド解任騒動で不安いっぱいのさくら姉さん。姉さん可愛いよ姉さん。チーフに代わって「アタック!」と指令を出す姉さんもステキ。

 姉さんの不安を汲み取って、「俺は、ボウケンレッドだ」っていうチーフには姉さんならずとも胸キュン(死語)の格好よさでした。

 ボウケンレッド解任騒動の真実は次回に持ち越し。東映公式を見ると、そのあたりがちょこっとわかるんですが、見た限りじゃ今回チーフが表明した「あくまでボウケン第一」の論理を、ボウケンジャーを運営する組織は必ずしも歓待していないって事なのでは……?


【祝! ガジャ様復活!】

 11話以来のガジャ様。ガジャ様はうらぶれた工房で、せっせこ工作にいそしんでおりました。ちょうお手製エンジンを組み込まれたアシュの人の今後が心配です。


【今週のミニコント】

鳥人戦隊ジェットマン」。知る人ぞ知る問題作。トラウマ。コント自体は至って当たり障りなくフツー(でもないけど)だったのは、やっぱり内容が内容なだけの措置だったと思われます。多分。


【次回予告】

 名前ネタからしても6人目が確定している映士がついに変身。できれば変身しないで欲しいんですけど。錫杖で生身アクション頑張って欲しいんですけど。アレのカラーリングは正直ちょっと……。


【劇場版告知CM】

 カブト同様、本編告知CMが開始。星井七瀬嬢の恰好が凄い。どこの星の人ですか?