「梅ちゃん先生」が今後NHKドラマにもたらす余波


視聴率というものさしにおいてはどういうわけだかトップを独走、その反面、「中身がない」「中身がないどころじゃない」「想像を絶するうすっぺらさ」「吐き気を催す邪悪」とまで言われるスッカスカのストーリーで半年間僕らを苦しま楽しませてくれた「梅ちゃん先生」が終わりました。

しかし本当に恐ろしいのはここからです。
中身はともかく、数字(憎らしくもこれが全ての視聴率様)が良かった「梅ちゃん先生」、早々に総集編のオンエアと、特別編2作のオンエアが確定しております。
年末の紅白歌合戦の司会候補にも梅ちゃんが有力視されてるとか何とか、そうでなくともSMAPは絶対「さかさまの空」歌うでしょうし、ゲストで殿様やタケオやカッツミーが来るかもしれません。彼らを呼ぶならまだしも、うっかりこぶ平でも呼ばれた日には耐え切る自信がありません。
いやまだいい! その程度ですめば!
何が一番怖いって、朝ドラが評価・もしくは高視聴率だと、その脚本家で大河ドラマ制作という率が一気に跳ね上がるんですよ!
近年の朝ドラ脚本家の大河執筆をちょっこし調べてみるとこんな感じだった

風林火山」を書いた大森寿美男 → 著作権の都合でフルDVD化されていない「てるてる家族」執筆
篤姫」「シエ」を書いた田渕久美子 → セイン・カミュが出てた、ぐらいしか覚えてない「さくら」執筆
天地人」を書いた小松江里子 → 小田和正が毎日流れた「どんど晴れ」執筆
平清盛」を書いてる藤本有紀 → その道中のよーきなこと!「ちりとてちん」執筆
「八重の桜」を書いてる山本むつみ → 朝ドラ中興の祖「ゲゲゲの女房」執筆

数年後の大河で尾崎将也が起用される率は相当高くて目眩がします。結婚できない大河になっちゃう!

梅ちゃん先生の良かった探し】

悪いところを探すとそれこそ吐いて捨てるほどあるので、いいところを探しましょう。ええと…ええと……?

良かったところ第3位:松坂桃李の起用。
→特撮出身者・特にレッド属性の起用が著しい朝ドラにおいて、理想的なスパン(シンケンジャーから大体2年後)で登場。お茶の間に認知されました。ストーリー中盤までモブを疑われましたが、無事梅ちゃんと結婚できてよかったですね。

良かったところ第2位:渋江譲二の起用
→レッド属性じゃないけど、特撮界が誇る最終兵器がまさかの起用。何故起用されたのか……よっぽどNHK響鬼ファンがいたと見えます。扱いは完膚なきまでにモブでしたが、これをきっかけにNHKでの起用が増えると亜姫が泣いて喜びます。

良かったところ第1位:高橋光臣の起用
→ボウケンレッド以降悪くてモブ、よくて昼ドラか新人刑事、ぐらいの扱いだった不滅の牙がまさかの起用、しかもヒロインと恋仲になるトカどうしたチーフ!? みたいな大活躍。惜しくも結婚はできませんでしたが、不滅の牙に勝るとも劣らない変態キャラをあますところなく見せつけたことでお茶の間に激しく認知。間違いなく、このドラマで唯一得した人となりました! よかったねチーフ! やったぞチーフ!

惜しむらくはこれ以外にも数多の特撮出身、出演者を取り揃えておきながら、蒲田でライダー大戦が起きなかったことですね。なぜ起こさなかった。

B008YC5808NHKウイークリーステラ臨時増刊10月31日号 梅ちゃん先生 メモリアルブック
NHKサービスセンター 2012-09-19

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