「西の魔女が死んだ」★★★☆



「おばあちゃん、だいすき」
「アイ、ノウ(知っていますよ)」


 おばあちゃんという存在は孫からしたら誰だって魔女であるように思う。色々な事を知っていて色々な事ができるから。だけどこの物語のおばあちゃんは日常の魔女でもあり、同時にほんものの魔女でもあった。おばあちゃんは孫にたくさんの生きていく知恵と同時に彼女自身の魔女の能力の秘密をも打ち明ける。そのときがきたらわかりますよ。かくしてそのときは訪れた。これはそういう話です。ジャムが食べたくて食べたくて仕方がなくなる話ではありません。

 おばあちゃんを演じたサチ・パーカーが圧巻。孫との衝突がきっかけで、自らの魔女としての衰えを知った日の夜、ひとり煙草を吸う後姿(それまで一切おばあちゃんはそんな要素見せないだけにこの場面はかなりショック)、お別れの日の枯れた佇まいが凄い。魔女にしか見えなかった。