04年度日本映画ラズベリー賞発表。


 日本アカデミー賞があるなら、日本ラズベリー賞をやったっていいじゃないか! というわけで、04年度に公開された映画で、邦画の未来が心配になった映画について超個人的に書き連ねた日本映画ラズベリー賞を掲載致しました。




日本ラズベリー賞は日本アカデミー賞の公開にあわせて、亜姫が個人で勝手にやってる企画です。今年は大して映画を見れなかったので、投票制にしようかトカ色々考えたんですが、個人的な企画なので、個人的に書いていく事にしました。


【最悪作品賞】


①「ピカンチ☆☆ダブル」主演:嵐。堤幸彦監督作品。
②「CASSHERN」主演:伊勢谷友介紀里谷和明監督作品。
③「ジェニファ 涙石の恋」主演:J・ホームズ。三枝健起監督作品。
④「世界の中心で、愛をさけぶ」主演:大沢たかお行定勲監督作品。
⑤「スチームボーイ」アニメ。大友克洋監督作品。


大賞:角が立つので敢えて言いません。
デビルマン」観てないし。でも「破壊屋」さんのレビューで大体わかりました。
http://www.saturn.dti.ne.jp/~giccho/film/2004/devilman.html
↑「破壊屋」さんのデビルマンレヴュー。笑い死に注意!


 ①はアイドル映画ならこんなもんだろ、みたいな製作側の妥協が画面越しに感じられちゃったので。特にエンディングが何か嵐の曲のPVみたい、と思ってたら、ホントにPVだったのはちょっとヒドいと思いました。前作はちゃんと作ってたのに何で? 
 堤監督は確かにジャニを上手に使える監督さんですが、映画監督としては下手だと思います。


 ②は「デビルマン」がなければ、間違いなく今年ナンバーワンの珍作だったのに「デビルマン」の登場で駄目作品としても認識される事なく忘れ去られた悲劇の作品。
 意気込みは感じられるけれど、勢いあまって強烈にスッ転んだみたいな映画なので、次回作にこの反省を生かしてもらいたいです。しかしどうしてこうクリエーターという人種は、揃ってこういう世界とか人間とか平和とか、俺が一番考えてる!みたいな思考に行ってしまうんでしょうか。謎。


 ③は製作過程で内容がコロコロ変わり、当初チョイ役出演の筈だった山田孝之が実質的主演という形に落ち着いた非常に大人の事情を感じる映画。宣伝も山田人気をあてこんで、「2回映画を観たら、くじ引きでポストカードプレゼント」など無意味に金を使わせたという意味でも罪重し。ちなみに亜姫は試写会含めて3回も行きました。馬鹿です。
 内容は前述のように無理な負荷が加わっている為、非常にワケわかりません(特に後半)。監督は試写会の壇上で、自ら「終盤はわけわからないと思います(笑)」みたいな事言ってました。あのさ、わかってんならもっとどうにかしろってえの!!


 ④は純愛ファンタジーとしてはともかく、小説の映画化という点でやってはいけない冒涜をしまくりでした。「リング」だってそうでしたが、本当に内容に自信があるなら忠実にやってこその評価だと思うのに。そりゃ、あの原作をまんま映像化したら大変ですが。今後こういう風に改変されまくりで映像化される小説続出という意味では非常に罪重し。
 反して長澤まさみさんと森山未來は素晴らしいと思いました。あの一瞬のきらめきがずっと残っていくんだから、映画っていいなと思うのです。


 ⑤は日本製アニメーションのウリであるストーリーが非常に世界向け、翻って単純明快すぎ、という所がよくなかったかと。といって「イノセンス」はやりすぎですが。続編製作決定とか言ってましたが、今までの監督のペースを考えると、一体何年先の話でしょうか。ていうかエンディングで今後の展開バラしまくってるんですが、大丈夫なんですか? 
 鈴木杏嬢とコニタンこと小西真奈美嬢の声は素晴らしいです。


【最悪俳優賞】


竹中直人(「スウィングガールズ」)


 別にこの映画に限らず、この人は映画が一瞬にしてブチ壊れるほどの破壊力を持つので、注意深く使ってもらいたいです。


【大根若手賞】


いま、会いにゆきます」の平岡裕太君のナレーション


 平岡裕太君はこの映画ではチョイ役で、演技してるという程でもありませんし、「スウィグガールズ」の彼は良かったと思います。じゃあ何が悪いって、冒頭の彼のナレーションがのけぞるぐらい酷かったんですよ! いきなり腰砕けの酷さです。顔のいい人が声もいいとは限らないお手本。



【最悪監督賞】


三枝健起


 この人の別の映画(「MISTY」)とか観てるんですが、手法に全然進展が感じられず、かつどうしようもなく酷いんじゃなくて、中途半端に酷いというのが酷い。



【イロモノ映画賞】


①「下妻物語
②「恋文日和


①も②も原作有り、TVドラマやCMのスタッフが撮った映画なんですが、どうしてなかなか佳い映画で、観に行って良かったと思いました。内容もそうなんですが、ちゃんと映画になってるところが素晴らしいです。①は土屋アンナ、②は弓削智久田中圭など、若手をちゃんときらめかせた意味でも、今後のスタッフの動向が気にかけたいですね。