「ホビット 思いがけない冒険」★★★★

以下すごくネタバレてますが、物語全体の話はネタバレておりません。

ロード・オブ・ザ・リングへ続く、逆年代記映画】

時間の流れは「ホビット」3部作→「ロード・オブ・ザ・リング」3部作です。「スター・ウォーズ」のエピソードシリーズと同じパターンです。技術の進歩や役者の加齢、原作からの取捨選択、未来へと続く物語(映画)の辻褄あわせにおいて、非常によく練りこまれた逆年代記とも言える映画です。辻褄が大崩壊している「SW」シリーズとはちょっと違います。もっとも「SW」はそれも含めて愛されているのですが、まあそれは別の話。

【どんな話か一言で言うのが大変】
ロード・オブ・ザ・リング」は指輪を捨てる話と、大雑把ながら一言で言い表せるのに対し、「ホビット」はちょっとややこしいです。指輪は登場しますがカメオ出演みたいなもんだし、世界の存亡…の予兆はあるけど、ドワーフの王国を取り戻すのがメインだし、でも主人公はホビットで……。一言で言い表せません。が、といって、映画がややこしい意味ではありません。主人公同様考えるヒマもなく、あれやらこれやら災難が襲ってきて、ドキドキしている間に映画が終わります。とても短く感じるぐらいです。170分もあるのに。

【主人公がホビットである意味】

※画像は「SHERLOCK」のものです。

なまえ:ビルボ・バギンズ
しゅぞく:ホビット
そうび:つらぬき丸(ゲテモノ系が近づくと光ってお知らせ)・びわ(指に嵌めると姿が消えるぞ!)
ぞくせい:かまってあげたい、まもってあげたい

時々、というか、まんまジョン・ワトソンだったよね!? ジョン・ワトソンだったよね!? 勿論演じ分けてるんだろうけど、どー見てもジョン・ワトソンでした。ありがとうございました(最大級の賛辞)

ロード・オブ・ザ・リング」へも続く、「なぜ主人公がホビットなのか」という部分について、明確な説明があります。その説明だけ聞くと、選抜された方からしたらたまらないんじゃないか、と、僕は思うわけですが、まさにその主人公たる所以をクライマックスでビルボが体現したとき、不覚にも泣きそうになりました。

【ジジイ健在】

なまえ:ガンダルフ
しゅぞく:まほうつかい
そうび:魔法の杖っぽい杖(主な使用方法は「なぐる」)、敵くだき(すごい剣)
おもなまほう:照明弾
ぞくせい:役に立ちそうで役に立たない。

クレジットではトップ扱いだけあって、今回のジジイは今までで一番使えるジジイだったように思えます。

ドワーフがいっぱい】

ドワーフは基本ちびっ子でデブでムサい髭面(失礼な発言)、という通説通りの造形で12人もいたら映画的な見栄えが致命傷な事を考慮されたのか、よーく見るとイケメンのドワーフが混じってます。12人全員の顔と名前を覚えきる頃シリーズが終わりそうな気がするんだがどうでしょう。

ドワーフの王子様が最後にやらかした件】

なまえ:トーリン・オーケンシールド
しゅぞく:ドワーフのくにの王子
そうび:かみつき丸(すごい剣)、カシの木の盾(すごく堅いのだ)
ぞくせい:ツンデレ

今回の話に登場する、奪われたドワーフの王国、その王子様がこの渋い感じの方なんですが、この人が色々あってすごい他種族不信で、当然ビルボにも突っかかるわけですよ。罵声怒声を浴びせるんですよ。それがクライマックスでビルボのある行動を目の当たりにした結果……。
映画を見終わった時、観客は思い知るんです。「やべぇ王子様ツンデレだ!

【次回作は来年です】

※画像は「SHERLOCK」のものです。
次回作には今回の映画では脚の先っちょとか、眼玉のアップとか、鼻息ぐらいしか出番のなかった、悪いドラゴンが登場します。その中身は「SHERLOCK」のベネディクト・カンバーバッチなので、「SHERLOCK」ファンはガン見の一作になることが容易に予想されます。ビルボと王子様の不器用な関係の行く末もね!(オイ)

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