「桐島、部活やめるってよ」★★★★★
「神木君に心を撃ち抜かれてしまう生徒役の兄ちゃんが僕のツボを激押したんですがどうしましょう?」
「知らねぇよ!」
「東出昌大君と言うらしいよ。ほらコレ」
「映画見終わった後で見ると更に感慨深いな」
「こういう良素材発見! みたいな喜びがあるのは、作品として素晴らしいからです。僕らが言うたら何の説得力もありませんが」
「クソ映画で素材発見は原則ないからね」
「橋本愛がクッソ可愛いというのもよくわかったよね」
「ちょっともう冗談みたいな可愛さだよね。あの可愛さでクラスの中で中心にいないトカ、おおこのクラスの男子の目は節穴か!?」
「いやそれも含めて学校というクラス(階層)の中で生き抜く処世術なんじゃね?」
「クラスから見たら侮蔑の対象にすらならない映画オタクの神木君の、真の姿がこの話が言いたい事の全てだよね」
「真の姿と言ってもクロックアップしたりするんじゃないんであしからず。神木君は最初から最後まで一貫して変わらないよね?」
「彼はとっくに「学校という世界」からは卒業してる人間なんだよ。だからああいう事ができるし言える」
「あるいは「桐島」も卒業したんじゃないかなぁと思ったんだよね僕。「学校という世界」にいまだ生きる奴らからは脱落にしか見えないんだろうけど」
「ラストシーンの東出君と神木君のやり取りは涙が溢れるほどいとおしく残酷なシーンで、あそこのパートだけちょっともう1回観たい」
「人生は学校で終わらないんです。ずっと続くんです」
「いや素晴らしい映画でした」
桐島、部活やめるってよ (集英社文庫) 朝井 リョウ 集英社 2012-04-20 by G-Tools |