「仮面ライダーディケイド」#19 終わる旅 其の弐


【継承】

デビキさんからアスム君へ。これだけ見たら何の文句もない、4年前、あの路線変更にマジギレした人達(亜姫含む)が望む結末を見せたような気がするけど、何だかさ! 僕が心底ヒネてる所為かもしれないけどさ! あの時オリジナルを見ていた人が大体思ったであろう「もしも」の世界が今回まさに描かれた代わりに、今度は「もしも會川が描いていたら」のトラウマを新たに植えつけられちゃった的なこの消化不良感……。
そもそも魂を継承するって連呼してたけど、それって具体的にどういう事なのさ。生き様なんて云うカッコいい言葉で括って浸ってる場合じゃないですよ。大人から、子供へ。今の世代から次の世代へ。作り手から視聴者へ。物語の中で登場人物たちが言うほどに平成ライダーの今の作り手達は物語の中で何を伝えればいいのか、自分たち自身が全然確信を持てていないような気がする。
愚痴ばかり垂れてますが、デビキさんとアスム君の別れと継承のシーンは素直に見れました。デビキさんのカッコがアロハじゃなくて、ヒビキさんが着てるような服だったので余計泣けた。

【少年の臨界】

次の世代に求められるのは、強さでも明るさでもなく、優しさ、というのは、非常に興味深い傾向だと思います。ただこの優しさを突き詰めすぎて脅威のヘタレ、ほぼ毎回負傷、最終的にはバディ殺しの宿業を背負った網島ケイタのキャラクタ造形が演じている人のテンションも含めて、数年来のあらゆるドラマの中では白眉の出来だっただけに、今回は表面的に終わっちゃったのが残念。まあ2話しか尺ないしオリジナルでも盛大に頓挫しただけに仕方のない所かもしれない。しかし今回のいわゆる親殺しは「キバの世界」でワタル少年がやった事と完全にカブりましたよね? 倒したのが父である事を気づきもしないというラストにグサッと来ただけに、響鬼編を會川がホン描いてたら全然違ったんだろうなぁ、としみじみ思った。


【あなないの少女】

→ねーおき! ねーおき!(黙)

「ディケイドをとめられるのは夏みかんだけ」という話。このフリが生かされる事を真面目に願います。大体フリだけって事が多いもの。しかし、夏みかんに何が出来るかっていえば、笑いのツボしか思いつかないんだけれど、何気に最強ワザだよねアレ。ダーク化した士君をブスッとやって世界の危機回避!? だったら最高だ!