「落下の王国」★★★★



 異世界の着想が素晴らしい。21世紀に登場したメガネの魔法使いとホビットたちの映画以降、ファンタジーな世界といえばニュージーランドでエルフがいて、竜が空を飛んで、ライオンが死んだり生き返ったりする世界だらけでクソつまんなかったので、この映画におけるファンタジー、「これは僕の話だ」に象徴される、どうしようもない現実の縮図が極彩色に彩られた意匠と、世界遺産で表現されたのはよかった。世界遺産の名は伊達じゃないぜ!映画。
 物語る青年の病みっぷりとお話をねだる少女の少女性も僕の好み。スゲー好み。
 あと入れ歯にも哲学的意味が存在するのだという発見があった。入れ歯は大事にしよう映画(ちょっと違う)。