「DEATH FILE」のネタバレとか一切合切気にしない感想


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長澤奈央

by G-Tools


 秋山奈々嬢目当てで鑑賞。それ以外の理由はありません。好きなアイドルが出ていてもこんなもん見ねーよ!という全国の人の為にざっくりと粗筋を言うと、「それを見ると殺人したくなるWebサイトの謎」を追う話です。主人公は刑事さんです。それだけで大体十分ですが、もうちょっと書く。

「殺人したくなる」部分の仕掛けは、「デスノート」のようにノートに名前を書くと心臓麻痺で死ぬトカではなく、原則的に殺したい奴の名前をカキコんだ人間が、対象に死刑が宣告されると自分で手を下します。自分で手を下したくない奴は書き込んだらアウトなので注意。

 書き込んだ当人には実際それほどの殺意はなく、単にストレス解消でカキコんだつもりが殺人したいキモチを正当化されて発奮して殺人に至ってしまった…トカ、殺害を煽るカキコむ側の視点を突き詰めて描いていったなら、割と面白かったのかもしれませんが、何故かそこで「サイトの管理人は超能力少年」という設定をブチこむ作り手。

 超能力少年は殺害の瞬間を予知し透視し、その映像を動画ファイルに念写してバラまいています。また「動機のある人間」に心のタガを外すヒュプノ(催眠能力)ファイルも送ります。少年超能力ありすぎ。超能力は凄いけど、サイト運営に関する知識はちょう普通人レベルの為、ログ解析されてあっさり居場所が割れる展開は笑いました。

 そんな超能力少年が、何故そんなネガティブなサイトを作ったのか、と問い詰めると、逆に「何故人を殺してはいけないの?」と中二病全開。ちなみにこの超能力少年を演じていた子は割と可愛らしい子でした。パッケージ写真じゃそうは見えなかったんですが、ニコッと笑ったところかなり可愛いかった。余談。


「殺人を正当化するサイト」と「中二病超能力少年」だけでも大分アレなのですが、更に「殺人後、不可解な自殺を遂げる少女」「女性ばかり惨殺する猟奇殺人犯」「その猟奇殺人犯に逆恨みされる主人公」「主人公の父親が死んだ未解決事件の謎」の話までブチこまれ、なにひとつスッキリも解決もその糸口も見つからない内に本編終了。

 「前編」という触れ込みだったんですが、パッケージにもDVDのどこにも「前編」の表記はなく、「後編」の予告もナシでした。全ての謎の中で一番の謎はコレだな


 で、本来の、というかそれしかないお目当て、奈々嬢の役回りですが、「主人公の妹の同級生」かつ、「同じく主人公の妹の同級生が殺人サイトの電波にやられて殺人する現場に出くわしてしまう子」かつ「主人公にその時の詳細を教えてくれる子」でした。

 恐怖現場には出くわすけど死なないし、殺人電波にも影響されないのはよかったけど、出来ればピンチ到来、悪党どもに廃工場あたりで追い掛け回されるシーンはないものか、と思ったんですが、ありませんでした。ちっ(え)。
 後編があったなら、是非ともその善意と美しさがアダになって悪党どもに廃工場で(こだわりの場所)追い掛け回され、ギリギリのところで、猛士関東支部総出で救出にきてくれる展開を希望します。無理ですわかってます。