劇場版スーパーヒーロータイム
パラレルネタは平成ライダー映画全体の特徴ですが、パラレルの設定の奇抜さに拘るあまり、「内容の小難しさに子供がおいてけぼり」問題について、毎年さんざん映画雑誌とか特撮雑誌とかネット批評でその点指摘されながら、今年も全く改善しようという気が見受けられなかった今年のスーパーヒーロータイム映画でした。以下2作品の雑感。
【冒険】
會川昇脚本という事で予測どおりハズしのない中編。一言で言うと、同じ職業だけど、仕事に対する方向性が違うので「お前の方が間違っている」と対立しまくるけれど、でも決して人として嫌いになったんじゃない、親子の絆はちゃんとあるよ、という、普通にいい話。
「シュリケンジャー」から「マジレンジャー」までの劇場版の「お約束」だった、「レッドとゲストヒロインの恋バナ」および「エンドロールでキャストがダンス」がなくなったのは、スタッフ的に「もうその展開は作り手として飽きたから」とのこと。
- 【最も爆笑した箇所】
- 「最強のプレシャス」が指す意味が観客に示された時。チーフを口説くミューズ。姉さんと真墨の「男の子でしょ!?」「無理!」のやり取り。姉さんの「お義父様」発言。チーフの半ケツ。
【虫】
「キネマ旬報」で「いっそライダー同士で料理バトル映画やった方がよかったのでは」と酷評されてましたが、SFとしてもヒーロー特撮としてもドラマとしてもアラが多い作品なのは確かです。
デカい隕石が落ちて海が全部干上がった滅亡寸前の世界で、事実上世界を支配するゼクトと対立するネオゼクトの抗争に割り込んでくる、天の道を往き総てを司るニートの目的は如何に!? な、出だしなんですが、ネオゼクトがゼクトに対立する理由が、映画見る前はてっきりゼクトの暗黒面を暴露する為に離反したのかと思ってたのに、フタを開けてみたらば、「自由が欲しいから」って……。ドレイクさんなんて「風になりたい」とかもうワケわかりません。
これが大体開始2分ぐらいの出来事で、以降上映時間66分エンドロールまでツッコめる、ツッコみ映画としては最高レベルの作品かもしれない。あと虎牙光輝さんがいい仕事してます。
一応TV版とのリンクがラストで明かされるわけですが、本当にテレビとリンクしてるのか、これまでの平成ライダー映画は終わってみたら「リンクしてるようでしてませんでした」状態につき、非常にうたがわしいのが現状です。