「野ブタ。をプロデュース」#3


 修二君は人気者を気取っているつもりが、ともすれば便利屋の修二君と捉えている人も多いのではないかという描写がキツい。彼の「敵」は彼の本質をとうに見抜いた上で攻撃仕掛けてきてるんじゃないかなぁ。敵の方が「繕う」意味では上手です。

 弟君の「兄ちゃんはいい奴だよ」に集約される家族の優しさとか、信子とキング彰に出会えた事とか、そんな奇跡に気がつかないままの彼が1人屋上でもがくようにあお向けてぼんやりしている修二君が印象的でした。


 しかし幽霊が生霊で、ただ単純に「息抜きしたい」トカそういう意味じゃなくて毎年文化祭を彷徨ってる、トカ、信子にかつて「お父さんじゃないから」と言った養父が、本当の父親のように娘を気遣ったりして、でも信子は「お父さん」と呼べずに「おにぎり!」としか叫べないけど2人はもうちゃんとした父と娘であったとか、ヘラヘラしながらも「何も楽しい事がない」自分を根底では不安に思っている彰とか、ピンポイントでグサッとくる描写が多いドラマです。