「H2」最終回


 終わってみたらとても少女マンガだったなぁ、という感じの最終回でした。原作は確かに少年マンガなのに不思議です。

比呂と英雄の対決・甲子園篇
比呂の秘策、対英雄用の球種「高速スライダー」に驚く英雄。ヒデちゃんが驚くのはいいんですが、味方陣営、特に監督が、その球の存在を知らないっていいのかなぁ(よくない)。結局あくまで直球勝負に拘るヒデちゃんを、変化球攻めで討取る比呂。
比呂に負けた英雄
比呂に討取られた英雄、どう贔屓目で考えても、比呂の作戦勝ち、ぶっちゃけ卑怯な作戦で負けたのにヒデちゃんは「負けたのは俺の心が弱い所為だ」トカ結論してました。穿って考えると、「好きな人を本当に手放したくないと思ったら容赦するなよ」という比呂なりの激励とも取れるんですが、多分そんな深い事をこのドラマのスタッフは絶対考えてないと思います。
夏終了。英雄と比呂の進路決まる
ヒデちゃんの進路は横浜なんですが、比呂の進路ははっきりせず。何故?
ひかり、アメリカに留学
留学。それは少女マンガのすれ違い展開最終奥義のひとつです。留学の理由は「スポーツキャスターになる為の勉強でアメリカに留学する」という事らしいんですが、理由としちゃかなり意味不明。本音はこのクソ中途半端な比呂と英雄への想いを断ち切りたいという所なんでしょうが、それにしてもかっとびすぎ。お母さんがなくなって家の中が大変なのに、お父さんを1人置いて留学かよ!
比呂と英雄の対決・中学のグラウンド篇
ひかりや春華と会話し、「思い残すことのないように」と、比呂の思いつき(としか思えない)で、中学のグラウンドで3度対峙する比呂と英雄。全ての始まりは中学から、ってこの話は高校時代がメインで、中学時代のエピソードはあまりなかったような気がするんですが。結局何を賭けたのかイマイチわからないまま、勝敗も極めてあいまいに勝負終了。その後、英雄はひかりと復縁。
比呂と春華
「お前ら(比呂と春華)がはじめて出会った場所に行ってみろよ」と野田君いわれて、部室前に行く比呂。現れる春華。いや君たちが初めて出会ったのはソコじゃなくて、学内の中庭なんじゃなかったですか? 何はともあれ野田君のお膳立てで比呂と春華も復縁。このドラマは一番大人だったのは野田君と判明。
千川高校卒業式
弓削智久の学生服はもう2度と拝めないと思いました。あとレンゲル佐川が回を追う毎にフェードアウトしていったのが哀しかったなぁトカ色々。春華が比呂を「比呂!」と呼び捨てたのが可愛い。
エピローグ
テロップで突然「2011年」と出てきてクビがカクッとなりました。比呂は大リーグ挑戦、英雄は比呂を追いかけてアメリカ行きを表明(爆笑)、春華はスチュワーデス、ひかりはスポーツ記者になりましたというエンディング。夢が叶ってよかったね(棒読み)。


 全体の雑感としては、主役含む千川ナインを始め準主役クレジットなのに出番は脇役級の英雄トカ、若手俳優の使い方が非常に勿体なかったドラマでした。つくづく「ウォーターボーイズ」とか「セカチュー」は偶然が偶然を呼んで上手くハマッたという事がよくわかります。顔がよくても芸達者でも原作が面白くても上手くいかない。脚本や演出がヘボいからつまらないとも限らない(大概はヒドいですが)。バランスって難しいですね。