「冬の運動会」


大化改新」に続いて2夜連続の岡田准一主演ドラマでしたが、前者と違って実に面白いドラマでした。でも3時間は長いよ。正月は3日で終ってんだよ。


 物語は、厳格なある家庭、他人行儀に日々を過ごしている祖父(植木等)と父(國村隼)と孫(岡田准一)が、実はそれぞれ家とは別に擬似家族や愛人を持っていて、そこに本来の家庭では見出せなかったささやかな幸せをかみ締めている。
 けれどその幸せが家族にばれた時、それは幸せではなく逃避でしかなかったのだと露呈。
 夢は終わり、祖父と父は既に人生を消費しつくしてしまったから、やり直しはきかない。恥を晒して長生きするより他にない。ただし孫だけはその破れた夢を、今度ちゃんと現実のものとして手にいれる事ができるだけの時間を持ちえている……以上、ざっくりな荒筋でした。


 家族ドラマとも現代のファンタジーとも取れ、或いはバカな男たちが女に振り回される滑稽な物語とも取れるのは、向田邦子の十八番といったところでしょうか。ああ何かこう血を感じさせるドラマだなぁ。
 准一さんは勿論、あんまり今まで印象のない(酷)ハセキョーが良かったような気がします。どうでもいいですが、キスはNGだったのかなぁ。あれはやってないですよね(どうでもいい) 
 あと淡々としながらじわじわと真綿で締め付けるように男たちを追い詰めていく母・樋口可南子に恐ろしくて始終ガタガタしてたとか、佐藤隆太の出番は少なかったねトカ、いくら死に際でも植木等岡田准一は間違わないトカ色々。