『鋼の錬金術師』#43「野良犬は逃げ出した」


 ロイが自分に保護を求めず逃げ出したエルリック兄弟を珍しく激昂して責めていましたが、少なくともエドワードがロイを嫌う最大の理由はまさにその「保護者面される」事なんだなぁ、と。


 ロイを慕う部下たちはロイの理想や理念に共感しているわけですが、エドにとってはもとから軍に理想も希望も抱いてないわけだし(ロゼの一件で多分更に軍部嫌いになったと思う)、父親への根深い嫌悪がそのまま、父親の悪い面を思い起こさせる、「自分の事をわかってくれない」「子供扱いする」ロイに対して向けられる悪循環の構図。ここに実の父であるホーエンハイムが絡んだ日にはリゼンブールも大惨事になりかねないでしょうか。ドキドキ。


 以下キャラ別に。

エルリック兄弟
愛し合ってる(スカー談)のに、アルフォンスの中の賢者の石が反応する所為で、触れ合えない体になってしまった不幸兄弟。やましい意味ではなく。あとやっぱり純粋な戦闘能力では大佐たちには適わない事が改めて判明。こんなに弱くて、ホムンクルスたちに勝てますかね…
ロイ・マスタング
大佐を兄弟捕獲に向かわせたホムンクルスたちは完全な失策で、大佐がエドから大総統の正体を聞くのは時間の問題です。だって、何だかんだ彼らを保護してきたのは他ならぬこの人なわけだし。
軍部組の皆さん
兄弟が子供だから子供扱いしちゃう事が、エドには本当に逆効果だという事にいい加減気がつかないと、取り返しのつかない事になってしまいます。ハボックに怪我させて一瞬怯えるエドの表情がそれを物語っていたかと。一方でマリア・ロスが独自にエドを救おうと立ち回っていて、原作ではあんなことになってるマリア姐さんに涙が出ました。私服もイケてらっしゃいますね。
ホムンクルスたち
兄弟を逃がした所為か、囚われて移送されるラスト。移送先は「あの人」のところなんでしょうかね。しかし超常の能力を持ちながらも移動手段・汽車って何かセコくないですか。飛空能力ぐらい「あの人」も作ってあげればいいのに。格好いいから。
ホーエンハイム・エルリック
奥さんが死んでも家がなくなっても子供たちが行方不明でも全然動揺ナシ。この親父はやっぱりタダの親父殿ではなさそうです。寧ろクソ親父の予感。ホムンクルスのエンヴィーがかつて言っていた「あいつの血を引くお前だけは許さない」という言はやっぱりホーエンハイムの事を指しているのでしょうか。
ロゼ
次回予告にてご登場。何をそんなに怯えているのでしょう。ヒー!!(怯)


 というわけでOPじゃありませんが、「全身全霊」面白い鋼でした。