「アジョシ」★★★★☆

【隣の家のアジョシ(おじさん)VS人身売買組織VS麻薬密売組織VS警察】

警察が張り込んでた麻薬取引現場から麻薬が盗まれる→責任取れと取引相手の人身売買組織に迫る→人身売買組織、盗んだ女と居合わせた娘を捕まえる→女は麻薬入りカバンを隣の質屋に預けていた→組織の構成員が質屋に押しこんで取り返す→質屋のアジョシが妙に親子を返せと主張するのだが、結局約束を反故にし、娘は売り飛ばされる→アジョシ、脅威と暴力の追跡開始!

以上冒頭。流れのみ抜粋。重要な事はネタバレしておりません。要するに、簡単ないつもの取引、簡単ないつもの商売(その商売内容はドン引きできるレベル)だと思って舐めていた人間のカス、クズ、ゴミ集団が、たった一人のおっさんによって軒並み痛々しくあの世送りになる話です。おっさんのイメージは当初北野武的な50代の冴えない人をキャスティングしようとしていたらしいんだけど、「いつまでもイケメンな役やって何になるんですか」と売り込んできたことで、ウォン・ビンになったそうです。

面白いなぁと思ったのが、結果的にはアジョシから一番遠い位置にいる警察が比較的あっさり(とはいえ立派な違法行為で)アジョシの正体を突き止めていくんだけど、その他の集団は警察のような身元照会方法が使えないので、一体なんでアジョシが自分たちを追ってくるのか? なぜそんな少女一人(ついでに少女の母親)の生存に固執するのか? そもそも質屋のおっさんがなんでそんな強いのか全くわからず、「なんなんだお前!」を繰り返す。そりゃ本当に「何なんだ」と思うわなぁ。

冒頭からラストまで、いま日中から深夜まで腐るほどやってる韓国ドラマと本当に同じ国の映画か、というぐらいに面白い映画でした。日本映画もドラマと映画でこのぐらいのクオリティの差があったらいいのに、全然ないのが増えまくりでヤバいと己を猛省して頑張ってもらいたいものです。


→人間のカス、クズ、ゴミ集団の中ではこのおっちゃんには少しドラマがあって切ない。