「不毛地帯」最終回


若干駆け足ダッシュで最終回を迎えてしまった「不毛地帯」。「そういや佐々木蔵之介って最終的にどうなったんだっけ?」「そういえば加藤虎ノ介は以下略」「大雪小雪さんは一生いきおくれ」等、各キャラのその後がさらっと語られることさえなく、壹岐正の最大の敵は視聴率だったんだ…! と思ってしまいました。せめて近畿商事の次の社長は誰になったかぐらいやってくれればいいのにさ。亜姫的には竹野内豊だと思います。ビジュアル重視。
かくして近畿商事を去り、シベリアに関わった人たちの面倒を戦後終生続けた橋爪功の後を継いだ壹岐さんですが、漸く心穏やかになれたのでしょうか。再び訪れた不毛のシベリア(日本だけど)で泣き崩れるラストシーンを観ていると、どんなに時を重ねようと、仕事に打ち込み、世間的には「国益をもたらした英雄」と讃えられ、部下に慕われ、家族に愛され、ツボ(小雪さん)に愛されようと、彼が抱えてしまった欠落・空虚・絶望は、なにものにも埋められないものなのだ、と思い知るのですが。
しかし求められたらバリバリやっちゃう壹岐さんなら、ちょっと頑張ればシベリアに眠る仲間たちの遺骨をちょうローコストで全回収! すると思うよマジで。

全体的には戦後史の大きな出来事を擬似的になぞりつつも、そんなことは割と瑣末な話でして、これは役者が演技をするのを心から楽しめるドラマだったと思います。傑作。