「ラブリーボーン」★★★☆


どうやったらあの犯人に勝てるのか。
結論から言っちゃうと勝てないのだ。勝てないのである。家族の愛も、殺された少女の想いも、この男には笑っちゃうぐらい通用しない。追い詰めはするんだけど、決定的じゃない。終盤で明らかになるこいつの「前科」に至っては、観客は白目を剥くしかないのである。チビるかと思った。映画としては最後の最後にようやく! というシーンも用意されているけど、基本どこまでも割にあわない。この割にあわない圧倒的暴力って「ロード・オブ・ザ・リング」でもあったなぁ。「ヒィイイイイイらめえええええもうやめてぇー!」みたいな。ちなみに「指輪物語」ネタが出てくるけど、話的に全く笑えない。

勝てるものがあるとすれば。映画はその可能性を描こうとしているように見えました。勝ち負けじゃなく、失われたものは戻ることはなく、どこまでも割にあわない。それでも多少なりとも溜飲は降りるし、救いは確かに実存する。恋は、いつでも、ハリケーン!(観ればわかる) 面白かった!

天国へ至る道程のCG。中つ国に比べたら平凡かな…と思ってたら、あの世界の根源が明らかになった時「うわぁあああ」ってなります。