「ケータイ捜査官7」が1年間走り通した理由が見える公式ブックスタッフインタビュー。


「カーテンコール」スゲェ。役者へのインタビューなんて、「え? あの人は? あの人にもインタビューに行かなかったの?」ぐらいのアッサリっぷりで、特筆すべきは全脚本、全演出家へのインタビュー。勿論押井守もな! 先生! 僕は結構「圏外の女」好きなんだけど(網島ケイタが初体験する話としては最高なのだ)、あのヤクザのおっさんが実は網島の守護天使という裏話はワケがわかりませんでした!(笑)

そんな中でどこを切り出したらいいのか読みどころ満載の「カーテンコール」の中から、総監督三池崇史とシリーズ構成冨岡淳広対談の一部を抜粋。テレ東の漢気にシビれます!


―――三池さんはシリーズ監督として、どういう作業から始められたんですか?
三池:ベース作りですね。ライダーにしても戦隊モノにしても、撮影所っていうバックボーンがあるんですよ。セットを2つくらい好きに使える基地があるんですね。だけど今回のプロジェクトは撮影所が絡んでいない。でも撮影所のセットを借りると予算にとてもあわない。
―――結果、横浜の子安にある倉庫に落ち着いて。
三池:普通に撮影所を借りるコストの3分の1ぐらいで収まったんです。
―――目の前の造船所からガンガン音が鳴り響いてきて、すごいところでしたけど(笑)
三池:夏は暑いし、冬は寒い。都心からも遠いしね。ただ、あれが都心に近い場所だったら作風も変わっていたかもしれない。あそこで作っていたからこそ、泥臭い感じが出たんだと思う。
冨岡:それはよくわかります。まさに秘密基地って感じで。それは脚本家サイドにも、いい意味で作用しました。


撮影所の環境がアレっていう話はLOFTイベントで伊藤裕子さんも言ってましたね……。


三池:もう1つは、どんなスタッフを集めて、どんな監督たちに来てもらうかですよね。できるだけ知名度のある監督とない監督を混ぜ込んで。たとえ「こんな監督知らないです……」って言われても「関係ないね!」っていう気概で。
冨岡:テレ東だから許されるっていうのがありましたよね(笑)ジャンルもバラバラで独立愚連隊みたいなスタッフですから。脚本家はアニメ畑の連中だし、監督はVシネを撮っている人が多い。でも、そのおかげもあってモチベーションが下がらなかった。
三池:もちろん視聴者にとっても作品は大事なんですけど、作る側にとっても1年間は長い。だって、70年間生きたとして、70分の1を占めるわけですよ。―――でかいですよね。


作る側のテンションの重要さが伺えます。東映特撮に今足りないのは絶対コレですよ。



三池:そんな1年の中に初めて監督をやる人間がいたりして、その現場をみんなでドキドキしながら見ていたりするのって実は大切なんですよ。
―――新鮮な気分が味わえる。
三池:モノを作るということは人を作ること。そういう部分ではテレ東、ウィズ、I.G……全員が一致している。テレ東なんて途中で社長と会長が出てきて「視聴率は気にしなくていい。思うようにどんどんやってください」って言い切りましたからね。「テレビ局があんなこと言っていいんですか?」って逆にこっちが心配したりして。
―――思い入れを持ってくれていたんですね。
三池:「こういうものを今の時代にオンエアできるのは、我々の誇りです」って。まあ、勢いで言っちゃったのかもしれないけど(笑)。いいよね、テレ東。
冨岡:割と本気でしたよ。
―――なにせ裏番組が、あの超人気クイズ番組「ヘ*#□ン」ですからね。


テレ東は神様です。


4861766923ケータイ捜査官7オフィシャルブックカーテンコール
ジャイブ 2009-07

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