「魔王」#2


 バレーボール中継で5分ズレこんでのオンエア。死ね!(テレビに向かって)何とか撮れてたけど……野球中継延長時代よりムカツき度がケタ違いなのは何故でしょう。

 それはさておき「魔王」です。大野君です。売れっ子弁護士の割に神出鬼没で生田さんの目の前に現れてる大野君です。忙しくなさそうです。そんなに接触しちゃ「さあ疑ってください」と云っているようなものですが、生田さんは嫌悪感こそあれ、まだ全然気がつきません。
 これは単純に生田さんがアホというわけではなく、生田さんは自分が原因であることを推測すらしないんだな、と思いました。自分が復讐されるような存在だと認識していない。今回デブ……じゃないクマ……は「ごくせん」だった。その昔馴染みの友達が困っているから借金肩代わり云々の話からして、彼らの間には友情なんてものは成立してねぇな、と思うのです。デブは生田さんに懇願という名で金をたかり、生田さんはデブの面倒を見てあげてる事で精神的な充足を得てる節があります。だから生田さんはデブが取り立てで巻き上げた溜めた金で開く店で「飲みたい」などとほざけるわけです。
 デブだけじゃなく、忍成君・安田様(田中圭)に対しても同様で、友達なら友情を壊してでもとめるべきそれぞれの現状から目を背け(或いは意識すらしてない)ている。この4人は友達面してるだけで実体は搾取しあう関係でしかありません。ドラマ的に狙ってるのかどうか知らないけれど、生田さんは自分で気がつかない限り、刺されたとしても自分の罪に気がつかないタイプの人間です。大野君はそんな彼に彼の罪を突きつけようとしている。そういう意味では大野君が復讐を成し遂げた時、生田さんの魂を救済してしまうことになるのかもしれません。それはおそらく大野君が最も望まないであろう皮肉な結果なんじゃないのかなぁ。

 以上、何かものすごく凄いドラマなんだぜ的解釈垂れましたが、実際は全然そうでもないドラマです。一歩間違うとコント、いやもう終始コントみたいなノリ。振り向いたら大野君。ドアを開けたら大野君。電柱の影に大野君。
大野君ファンには堪らないドラマですね。