「仮面ライダー響鬼」#16 轟く鬼


 今回の見所は、本格登場は前回からにも関わらず、濃い恋愛関係、もとい師弟関係を見せてくれたザンキ・戸田山組に尽きます。

 長い闘病生活から戦線に復帰したものの、力量に限界を感じた師匠は、弟子に免許皆伝を言い渡し、自身は引退を宣言。「ザンキさんあっての俺なんで」と吹っ切れない戸田山に「俺とのこの2年間のことは全て忘れろ」とぴしゃりと言うザンキさん。なんだこの日曜の朝から濃い空気は!!?(※やや妄想込)

 突き放したような台詞を吐きながらも、草葉の影から戸田山を見守りながら、「お前が自分の責任で、自分流にやらんと」・「(お前とのコンビを組んでいた日々は)楽しかった」などあれこれ助言して、免許皆伝のデビュー戦に緊張する戸田山を「軽く」しようと努めるザンキさん。あなた師匠の鑑です。


 そんなザンキさんに見守られながら変身、豪快に敵をブッ倒す戸田山。ザンキに遠慮するあまり本来の力を出せない、という彼の枷をギターを逆手で持つか、順手で持つかでわかりやすく表現してみせた演出がよかったです。

 いやーそれにしてもギター鬼の戦い方って、もうものすごくツッコみどころ満載というか、素敵なギターの使い方ばかり。特に「雷電激震」は何かの機会に1度は見てみてください。笑い死にできるから!!



ギターの使い方を間違ってると思う1コマ。刺さってます!!


 一方、主人公であるヒビキさんは何やってたかといえば、明日夢君とデートしてました(違います)。



「正直言って、少年を弟子にする気はないんだ」
「少年も鬼になる気ないでしょ?」
「はい、すいません」
 

 これまでの展開からして、アスム君は精神的にはヒビキさんにめろりんきゅー(死語)だし、誘われたらほいほい弟子になりそうな勢いだったわけですが、実際問題として、体力的には彼壮絶に軟弱だし、魔化魍屋久島で遭遇したあのたった1回だけの恐怖体験と、「ヒビキさんラブ」だけで、「鬼になりたい」とは思わないわなぁと思いました。

 前後してのイブキの「友達がいなくて寂しかった学生時代」の話や、同じく殆ど高校生活は送っていなかったらしいヒビキさん、折角入学できたけれど半ば学生生活はあきらめ気味のあきらを見ていると、彼ら側から見たアスム君の存在って、「失われた日々に対する憧憬」のような存在なのかもしれません。失った事を後悔はしてないけれど、眩しい、みたいな。だから大事にしてるけれど、あくまで別世界の眩しさ。

 
 ところで新たに判明した鬼設定で衝撃の事実が。これまで「変身時、服が燃えたり千切れたり破けたり」してるように見えるというのは各所で言われてきたし、実際変身前後で皆衣装が違う事からしても、変身時は下着から何から全部パーになるというのが暗黙の設定だったわけですが、今回遂に画的にその設定が公に!!

 

周囲に人がいたら違う意味で大惨事です。

 これまでヒビキさんやイブキが見せてきた「戦闘後、鬼スーツの顔だけ解除」にも鍛錬と技術がいる事が判明。それってもうすぐ鬼になる予定のあきらたんが下手したら大変な事になっちゃうって事じゃないですか!!? あと特撮番組のお約束「敵に激しく攻撃されると変身が解けちゃう」がこの番組では絶対に使用できません。だって変身とけたら放送禁止ですよ!!


 まあそんなこんなで脇キャラメインなのに非常に充実の第16話でしたが、次回はまた新たな方向にぶっちぎる模様。別世界でしかなかった日常に魔化魍の影が……