市川拓司「いま、会いにゆきます」


いま、会いにゆきます
市川 拓司

発売日 2003/03
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 何かとセカチューと比較対象される本作ですが、これにしろセカチューにしろ、ページをめくって読んでいるというよりは、マウスホイールをスクロールして読んでいるような気がしました。小説を読んでいるという気分は非常に薄いです。読みやすいというのは翻って考える必要性を奪っているような気もします。


 内容的には好きか嫌いかでいえば、苦手の部類でして、そも繊細を通り越して病的とも取れる主人公が全くもって苦手でした。映画版では主人公を中村獅童が演じるという事で、捨ちゃま(「新選組!」)における彼なんかを見ていると、この人選はぴったりだと思います。


 そんなわけで主人公に入り込めない以上、話にも全く入り込めなったわけですが、小説を読んでいて、何度かあったミヒャエル・エンデの引用が目について、暴れたいくらい気になっております。


 だってエンデ原作の映画タイトル邦題を思いっきり間違ってるんですよ。「はてしない物語」は映画タイトルじゃありません。
 「Die Unendliche Geschichte(原題)」の映画版は「THE NEVERENDING STORY」で、邦題が「ネバーエンディング・ストーリー」、「はてしない物語」は「Die Unendliche Geschichte」の日本語版タイトルであって、映画のタイトルじゃないわけです。こういう所ファンだったら相当拘ってしかるべき箇所だと思うのですが、自分が拘っているだけなのか。単なるミスだとしたらファンらしからぬミスだし、ファンじゃないとしたら本ブン投げます。


 というわけで近日公開の映画において、エンデがどーいう使われ方をしているのか非常に気になってきたので観る気満々です。あとキャストに浅利陽介君がいるのも気になって仕方がありません。