『鋼の錬金術師』#36「我が内なる科人」


 きたるべき第4クールへ向けて、會川昇自らが筆を振るって伏線回収に励んだ第36話です。以下伏線絡みのエピソードを整理整頓。

伏線①エドの意識改革
エドとかアルとか、本ッ当に主人公とは思えない数々の暴言、例えば目的の為には人殺しも辞さない態度とか、イシュヴァール人に対する無意識の差別意識、大人への反発とか、これまで端々に吐いてきた無意識の傲慢に対して、それは傲慢なんだよ、と特にエドが最も嫌う大人たちに指摘され、ちょっと自分の未熟を思い知ったような。ブレダ少尉とか追放者のジイさんにズバッと言われて、目を逸らして顔を歪めるエドがいとをかし(え)。
伏線②イシュヴァールの錬金術
イシュヴァールがかつて錬金術で栄えていた歴史は、「錬金術で滅んだ東の国」と、どこかの話数で言っていたアルの台詞が伏線だったんですね。エドはただのおとぎ話と切って捨ててましたが、それは真実だったと。あとここで初めて「人柱」という台詞が登場。原作とは違う意味なんでしょうが……。
伏線③ロックベル夫妻の死
マスタング大佐がウィンリィの両親を惨殺した事実が遂にウィンリィにバレました。怒れるヒロインは単身セントラルに。ホークアイ中尉が「大切な人のためなら迷う事なく引き金を引く」って、ウィンリィが大佐をどうにかしようとしたら……い、イヤな予感……!! 更にウィンリィはヒューズの死も知ったわけですが、エルリック兄弟は一体いつになったら知るのか。あー(鬱)。
伏線④イシュヴァール内戦
ホムンクルス側も場合によっては兄弟の抹殺を考えるほどに重要らしいイシュヴァール。単純にアメストリスが一方的にイシュヴァール人を虐殺したという事じゃないんでしょうね。そういやイシュヴァール内戦を画策したのはジュリエット・ダグラスという名の人間で、今その名を使っているのはスロウスで、でもスロウスは十中八九エドとアルが作ったホムンクルスだろうから、そうすると計算が合わないんですが……兄弟がおかあさんを失ったのは内戦後なんだし。うーんうーん。


 あとこの回でも放置されたままの伏線としては、兄弟が一番最初に立ち寄り、その後壊滅したリオールの現在とか、兄弟の父親の話とか、イズミ師匠の話も投げっぱなしだし、「プライド」や「あの人」の存在とか、何よりDr.マルコーは一体どうなったの!!? とか、あまり伏線が回収されてなかったかもしれませんが、まあそれはそれで。